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4.大学入試問題とテイラー展開U

 今回はテイラー展開(2)の補足です.
でしたが,両辺を積分すると,
となります.他方,
であったので,次式が成立します.
 この級数はラィプニッツあるいはグレゴリー級数(Leibniz1646-1716,Gregory1638-1675)といわれますが,この2人より以前にインドの数学者マーダヴァ(Madhava,1400年頃)により発見されています.ラィプニッツは1673年にこの式が成り立つことを発見して自然の神秘を感じたそうですが,この式は深い数学的意味をもつことが分かっています.
(cf.岩波講座 現代数学の基礎 数論1,加藤和也・黒川信重・斎藤毅著 p106〜)
 ところで、上記の計算では無限和であるにもかかわらず項別に積分していますが,この計算が正しいことを厳密に証明するのは少し手間です.しかしながら,次の問題(類題を含めるとわりと大学入試で出題されています.例:2005年静岡大(後期),南山大,2006年電気通信大,大阪医大)の誘導に従えば,この式は高校生でもきちんと示せます.

問題4.1
(1) 次の定積分を計算せよ.
(2) 無限級数1−x2x4x6+…+(−1)n-1x2n-2 の和を求めよ.
(3) 次式が成立することを示せ.
(4) 次式が成立することを示せ.
解答】←マウスでクリックすると表示されます.

 (3)の左辺は無限級数((4)の右辺)の剰余項(あるいは誤差項)といいます.これを定積分表示し,この定積分(まともに計算できないので)をおおまかに見積もり(普通、評価といいます.),n→∞ のときのこの定積分の極限が0になることを示すことによって(4)が成立することを示すわけですが,このやり方は他の問題に対してもかなり使えます.(テイラー展開(2)でも使いました.)

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