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1.多項式関数のテイラー展開

 テイラー展開について何回かに分けて解説します。最初は多項式関数のテイラー展開について解説します。なお,(1)から順に読む必要はありません.三角関数,指数函数,対数関数等のテイラー展開(証明もつけます.)については(2)と(7)〜(9)で扱います.
 何回でも微分可能な関数
f(x)で次のように表されるものがあります.
 これを f(x)のテイラー展開といいます.とくに,a=0 のときはマクローリン展開といわれることがあります.なお,右辺の級数はテイラー級数といわれることがあります.

(例) 
f(x)=1/(1−x)のとき,高校で習う無限等比級数の和の公式より,
    
f(x)=1+xx2+…+xn+…
 であるので,
 が成立する.ただし,|x|<1とする.

 このように,テイラー展開できる関数は高校でいくつか習うのですが,テイラー展開できる関数で,一番簡単な関数は多項式関数です.まず,次の基本的な問題を考えてみましょう.

【問題】
 次式が
x の恒等式となるように定数 a b c d の値を定めよ.
   
x3a b (x−1)+c (x−1)2d(x−1)3


【解説】
 単に解くだけならば,右辺を展開して係数を比較すればよいが,それでは一般的にはどのようになっているか分りにくい.微分法を使って次のように解きましょう.
 f(x)=x3 とおき,与式に
x=1を代入すると,
   
f(1)=a   ∴ a=1.
与式の両辺をxで微分すると,
   
3x2b2c(x−1)3d(x−1)2
この式に x=1を代入すると,
 同様にして,与式を次々微分していくと,
となり,
となることが分ります.したがって,
が成立しています.一般に,n 次多項式関数 f(x)はテイラー展開可能であり,任意の定数a に対し,
が成立することは上記と同様にして示せます.なお,テイラー展開2で解説する公式を用いると容易に示せます.
 
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