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3.大学入試問題とテイラー展開T

 テイラー展開に関連する問題はよく大学入試で出題されます。代表的な問題を何回かに分けて解説しましょう。


【問題3.1】
 nを正の整数とするとき,次式が成り立つことを示せ.
解答←マウスでクリックすると表示されます。
であったので、この式を知っている人には明らかな問題です。もちろん、大学入試でテイラー展開より明らか等と答えてはいけません。なお、数学的帰納法で示すこともできますが、上記の解答のように答えた方が楽です。
 ところで、さらに次の不等式が成立することもまったく同様に示せます。
とおくと,
 この式でテイラー展開の部分和との誤差がどの程度かが分かります。実際に計算してみると、この部分和はかなりよい近似式になっています。一般に、関数を多項式関数で近似するとき、テイラー展開の部分和はそれほどよい近似式になりませんが、この場合は数値計算するときに使えます。  (他に、sin x cos x のテイラー展開の部分和も近似式として使えます。)なお,この不等式を示させる問題は,たとえば,1990年金沢大学,2006年早稲田大(理工)で出題されています.

 テイラー展開の部分和との大小比較の問題は他にもよく出題されています。もう少し基本的な問題を次に示しましょう。

問題3.2 次式が成り立つことを示せ.
【類題3.3】 次式が成り立つことを示せ.
問題3.2解答←マウスでクリックすると表示されます。
類題3.3解答←マウスでクリックすると表示されます。


 ところで、sin x テイラー展開はxの項がありません。そのため、sinθ≒θとしてもかなりよい近似になっています。(cf.楕円積分と単振り子

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