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9.テイラー展開とマクローリン展開の違いについて教えて下さい.

【解答】
 まず,基本的なことを確認します.高校で学ぶ関数で一番簡単な関数は1次関数や2次関数です.これらを式で表すと,それぞれ,
 
yaxbyax2bxc
となります.それから,数学Uの微積分では3次関数
yax3bx2cxdを学びます.これらは,多項式関数といわれますが,高校では三角関数のように多項式関数でない関数も学びました.実は,たとえば,
 sin
xx-1/6x3+1/120x5-1/5040x7+…
が成立します.右側の式は,多項式が有限和になっているのに対し,無限和になっていますが,多項式関数と似た式になっています.無限次元多項式といった方が分りやすいかもしれませんが,普通はベキ級数といいます.このように表せるとき,その関数はテイラー展開可能であるといい,このように表すことをテイラー展開(あるいはベキ級数展開)するといいます.また,右辺の級数をテイラー級数といいます.(ベキ級数と言っておきながら,今度はテイラー級数?と思っている人がいるかもしれませんが,どちらも使います.最初はあまり気にしないで下さい.だんだん分ってきます.)
 一般に,何回でも微分可能な関数
f(x)が
  f(x)=
a0a1(x−α)+a2(x−α)2+…+an(x−α)n+…
の形に表せるとき,このように表すことをテイラー展開するといいます.とくに,α=0の場合はマクローリン展開といいます.要するに,テイラー展開の特別な場合がマクローリン展開です.
 「数学100の発見,日本評論社」のテイラー展開(一松信執筆)についての解説によると,マクローリンは「流率論 1742年」でマクローリン展開を論じているが,テイラーの論文「増分法」を参考にしていることをはっきり述べているとのことです.マクローリンは剰余項(テイラー展開参照)の考察もしているので,まったくこの展開について貢献がなかったのではないが,マクローリン展開と名づけるのは多少問題があると一松先生はおっしゃっています.私はα=0の場合もテイラー展開ということにしています.